河原で焚火をしてもいいのか問題

 日本がブッシュクラフター不遇の国なのは間違いない。
 ブッシュクラフトの醍醐味である焚火(直火)ができる場所が限られているからだ。

 ネットで検索すると、黒に近いグレーだから直火OKのキャンプ場でやりましょう、という結論になっている記事が過半であり、閉口し、落胆する。
 最もそういった記事の多くはアウトドア雑誌のウェブ記事だったりするので、キャンプ場への忖度だったり、焚火警察の方々による炎上を防ぎたい、という意図もあるのだとは思う。

 この問題について自分の住まう北海道ではどうか、調べてみたので記事にしておこうと思う。

 ※ この記事は、北海道が管理する2級河川に関するものです。

北海道の2級河川の河原では、焚火を含めたキャンプは可能(条件付き)

 某河川が流れる自治体の建築部に確認したところ、その河川は2級河川であり、道の管理である、という事で、そちらの電話番号を教えていただいた。

 早速問い合わせて、2級河川の河原ではキャンプ(焚火含む)は可能か、聞いてみた。

 結論から言うと、
 河川は河川法によって国民が自由に利用できる、という基本原則があり、
 その川原での焚火を含めたキャンプは可能
 という回答であった。

 もちろん、常識的な規模で、という事なので、
 周辺や通りかかった住民に通報される様な事、例えば
 どんちゃん騒ぎや、炎が数十センチも立ち上る様なキャンプファイヤーは絶対に止めるべきである。
 これらはソロで行うことが多いブッシュクラフトには無縁の事なのだが、絶対にソロであるとは限らない。忘れてはならないポイントだろう。

 そして、
 ・その河川が流れる自治体に規制する条例があったり、
 ・該当河川の河原に焚火禁止、キャンプ禁止の看板等がある場合は
 絶対にしてはいけない

 できれば自治体の消防署にあらかじめ伝えておくと、焚火の煙を野火と間違われないのでさらに良いとの事。

 他に注意点を挙げるならば、
 ・私有地に入らない
 ・国定公園、国立公園内は避ける(私有地や特別保護地区がある)
 ・燃やすのは燃料である薪のみ、ゴミは燃やさない
 などが考えられるが、
 原則OKなのである。

 正直なところ、できれば止めて欲しい、という回答を予想していたので、意外であった。

キャンプ・焚火の跡は、来た時よりも美しく

 ブッシュクラフト的な焚火の処理を学んだ者には講釈は不要だろうが、焚火は後片付けまでがそれというもの。

 薪は灰になるまで燃やし尽くし、燃やしきれなかった部分は持ち帰る、灰は手で触れる温度まで下がったことを確認、粉々にし、撒く等して処理する。
 掘った穴は埋める、かまどに使った石は元の場所に戻す、等をして、痕跡を残さない。徹底したいと思う。

 もし誰かが捨てたり流れ着いた空き缶、ペットボトル等のゴミがあったのなら、それも持ち帰るべきだ。

 もっと言えば、誰かがやった焚火跡があれば、その炭を自分の焚火で燃やし、灰にし、処理すべきである。

 そうする事で現場が美しくなり、自分が疑われることもない。またその場所に戻ってくることができるというものだ。

焚火に関する団体まとめ

焚火にハマっているのである。

自分の事

 私は子供のころから外遊びが好きで、郊外に住んでいたこともあり、火や土や草や木でよく遊んでいた。田んぼでドジョウをとったり、崖から落ちたり、草ボーボーの空地で火遊びをして近所のおじさんに怒られたり、100円玉を握りしめてホームセンターへ行き、端材コーナーで木材を買って、ロクに研がれてもいないmyナイフで模造ナイフを造ったりしていた。もちろん手もたくさん切ったりした。

 職歴は、電子回路のエンジニアやボルダリングジムのオーナー(現在もだが)を経て、また年齢も40を過ぎたが、三つ子の魂百まで同じ、という事なのか、未だに子供の頃と同じ事を楽しいと感じるのである。

焚火ブーム

 30年くらい前は、庭で焚火をするくらいは当たり前だったが、今では火災の原因になるとか、洗濯物に匂いが付くとかでやる人は少なくなった。またオール電化の家も増えてきた事で、火そのものを見る機会が激減している。
 近年の焚火ブームはその反動の側面がある。当たり前だった「焚火」が今、若い世代には目新しいものになり、その良さが認識されてきているのではないだろうか。

 ここ1,2年で急激に「焚火」の露出が増えたと感じる(先日TVを見ていたら、連続した2つのCMの描写が、「メタルマッチを使うキャンパー親子」だったのには驚いた。 もちろんCOVID-19によるキャンプブームの隆盛という側面もあるのだろうが)

焚き火の団体

そんなわけで焚火に関する団体もボチボチ設立されている様なので、まとめてみた。

日本焚火学会
 設立は1993年というから焚火の団体としてはパイオニアである。
 活動内容は「学会」というには緩いもののようだが、焚火そのものが緊張を解く力があり、当然と言えば当然か。焚火=直火という理解をされている様で共感を持ってしまうのである。コンテンツのボリュームがあり、かなり読みごたえがある。

一般社団法人 日本焚き火コミュ二ケーション協会
 2015年設立(前身の団体は2012年)
 キャンプ、野営技術というよりは、焚火によるコミュニケーションにフォーカスした団体である。講座を開講していたり、焚火コミュニケーション検定という検定試験を主催している。宿泊もできる施設運営も。

日本焚き火協会
 2019年設立。新しい団体。
 焚き火検定を主催している。書籍の出版等も。

Japan Bushcraft School
  一般社団法人危機管理リーダー教育協会が運営するブッシュクラフトスクールである。ブッシュクラフト認定講習の内容として焚火に関する部分がある。